〜書と武道の合体したアート〜
武山は自ら創案した『書術』という字をモチーフにして瞬時に描くという『気』波動が作用する描法を体得し、書道という範囲に納まらない独自の世界を生み出した現代アートの作家である。
武山の書術とは沖縄空手の三法、『突き・受け・蹴り』を手と腕の中に取り入れ古武道と書の両方を一点に合致させ、一気呵成に描きあげる表現方法は、伝統的な書道の概念を覆した新しい墨のアートとして確立されている。創作に於いても素材も独創的、特性のイカ墨で既製の筆は一切使用せず手にとけ合うもの全てが筆、紙も撥水性のあるものなどをベースにしている。
作品は一秒以内という瞬間に、前生命力を空間に打撃する勢いで描きあげる。筆の走り抜けた跡にはイカ墨粒子、金泥・銀泥の織りなす美しく爽快な創造の心が残る。(書好 第三巻) |